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2010年6月9日水曜日

UNICORN:しあわせのかたち 『裸の太陽』DVD

今日夜家に帰ってみると、アマゾンから『裸の太陽』が届いてました!
初回限定盤なのでDVD付きなんです!

早速、DVDを観ると…

1曲目は『ひまわり』
少し紗のかかった画面の中で、ユニコーンのメンバー、民生さん、義晴さん、EBIさん、テッシ―さん、川西さんが、にこにこと本当に楽しそうにレコーディングをしている模様に、『ひまわり』の懐かしいメロディーが重なっていく。
「ああ、ここにはしあわせが溢れている」
画面を通して、「僕たちは本当に幸せだよ~」っていうオーラがこっちまで伝わってくる。ものすごい感動。溢れる涙。

2曲目は『パープルピープル』
今度は、ツアーの移動中の車内や、車内から見た景色が、白黒の画面の中で、やさしく揺れる。やはり、この中でも、メンバーはみんないつも笑っている。楽しそうに。

3曲目は『半世紀少年』のクリップ
川西さんの軽快でちょっとコミカルなラップが流れる。サビのメロディーに載って、ステージの上で、裏で、まるで少年のようにはしゃぐメンバーたち。子犬がじゃれあっているかのような、無邪気な姿に、
「幸せってこんなかたちしてるんだあ」
と、自分の胸の中が、ほっこりとして、自然と笑みが生まれてくる。

4曲目は『サラウンド』at さいたまスーパーアリーナのライブ映像。
全員がゴルフウエアに身を包み、石川遼くんの髪型にお揃いにして、まじめな顔で歌ってる民生さんがおもしろかっこいい。髪の毛は、地毛かなあ???

5番目は、2010年の新年会。焼き肉屋さん。
民生さんは、自分から進んで肉を焼いて、義晴さんに肉をあげる。川西さんとEBIさんは、とにかく笑ってて、楽しそう。義晴さんは、「歯が餅に持ってかれた~」って話をずっとしてる。テッシ―はあまりしゃべってないけど楽しそうにしてる。
「夏フェス何にでる?」ということを、意外にも真剣に話している。
義晴さんが、「出ないんなら、出ない理由をちゃんといってくれないと、意味がわからない」と、はっきり主張。福岡HIGHER GROUND、具知安は確実にでるけど、SETSTOCKは?フジロックは?とその先がなかなか進まない。ファンとしては、「出れるもの全部でて~!」って感じだけどね。

ああ、この5人の男たちは、こんなに幸せで、楽しそうで…。
大人になるって、やっぱりいいもんですね。
もちろん、山あり、谷ありの人生をそれぞれが歩んできて、その苦労を乗り越えたところに、この幸せが存在していたんだよね。

山のあなたの空遠く さいわいすむと人のいう

昔国語の時間に習った詩を、思い出しました。(うろ覚えなんで、間違ってるかも(汗))

2010年6月8日火曜日

奥田民生:自己を突き放す視点 『かたちごっこ』

奥田民生氏のひとりカンタビレの楽曲は、どれも素晴らしいものばかりだが、個人的に好きなのはこの『かたちごっこ』と、最終曲の『解体ショー』である。今日は、『かたちごっこ』を取り上げて、民生氏の詞の世界、音楽の世界を探っていきたいと思う。

「~ごっこ」というのは、日本人には慣れ親しんだ言葉である。私たちは子供のときから、「おままごと」や、「お店屋さんごっこ」などをして、遊びを通じて大人のまねごとをし、大人の社会に適応する訓練をしていると言える。

しかし、民生氏の『かたちごっこ』で使われている『~ごっこ』というのは、そんな郷愁をそそる甘いものではない。
歌詞の一部を以下に引用する。


かたちごっこ


雪解けの 賑いの ひかり
放っておいて 僕は
ひとり ベッドに もぐりこみ
子供ごっこで まだ眠る

週明けの わざわいの 手紙
読んで 泣いて 僕は
ひとり ベッドに しがみつき
孤独ごっこに 時を使う

紙ジャケの お気に入りの歌 
買って 聴いて 僕らは
ふたり ベッドに 腰かけて
大人ごっこに ただ夢中

お色気の 君からの言葉
降って湧いて 僕らは
ふたり ベッドで 触れ合って
癒しごっこに 汗をかく

【中略】

有明の 静かに吹く風
放っておいて 僕は
ひとり ベッドで 閃いて
悟りごっこに 時を忘れ

イタチごっこで また遅刻


楽曲からの聞き書きなので、漢字表記や使用した言葉が誤っている可能性があるが、民生氏の詞の素晴らしさ、その本質は伝わると思う。

ここで多用される「~ごっこ」という表現。「子供ごっこ」「孤独ごっこ」「大人ごっこ」「癒しごっこ」「悟りごっこ」「イタチごっこ」。
「イタチごっこ」以外は、民生氏の創作した言葉といえるだろう。
「子供」「大人」「孤独」「癒し」「悟り」…。どれも現代の日本を形容するうえで、避けることのできない重要な言葉であり、実際これらの言葉は使用頻度が高い。

ここからは私の推察で、調査をしたわけはないことをご了解戴きたいが、現代の日本人は「孤独」「癒し」「悟り」というものに依存しすぎているのではないだろうか。巷にはこれらの言葉が氾濫し、自分の「孤独」を声高に訴え、「癒し」を求め、安易な「悟り」を手に入れることに躍起になってる。そんな日本人のメンタリティに、冷水を浴びせかけるのが、民生氏の「~ごっこ」という言葉である。

少々難しい話になるが、言語学の用語に「メタ認知」というのがある。簡単に言ってしまえば、たとえば、自分が何か言い訳をしているときに、「あ、自分今必死で言い訳してるな」と、自分の発言や自分自身を客観的にとらえる認知のことを「メタ認知」と呼ぶ。

民生氏の「~ごっこ」という表現は、まさしくこの「メタ認知」である。
孤独を感じている自分に埋没することを避け、一定の距離をとって、突き放した視点から自己を省みる。
ここには、どんな物事をも冷静に見つめる、自己に対する冷徹な、厳しい視線が感じられる。

歌詞の内容や曲調は、物悲しく、甘く、せつないのだが、この「~ごっこ」という言葉があるおかげで、どっぷりとそれに浸りきれない。
自分の世界に埋没してしまうことを潔しとしない、民生氏の自己を突き放した視点が見事に結実した、名曲だと言えるだろう。

音楽については、私は素人なのだが、この楽曲には、ビートルズのLET IT BEを彷彿とさせるコード進行が使用されており、その相乗効果で、メロディーの叙情性が深まっている。

メロディーが持つ、甘くリリカルな調べと、詞の世界が持つ、自己を突き放す冷徹な視点。矛盾する2つの要素が、ひとつの楽曲の中で見事に融合されている。

何度聴いても、涙が溢れてくる。本当に素晴らしい楽曲だと思う。

2010年6月7日月曜日

映画日記:What a Wonderful Fantasy! ALICE IN WANDERLAND

本日2本目の映画は、ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演のALICE IN WONDERLAND.

SATC2を観た後だったので、余計にそう思ったのかもしれないけど、同じおとぎ話でも、こっちはディテールへのこだわりがまったく違う。

小学生のころ、「不思議の国のアリス」が大好きで、ルイスキャロルの翻訳を貪るように読んでたけど、映画を観て、その頃のどきどきが蘇ってきました。19世紀(かな?)のイギリスの、ちょっとセピア色を帯びたような古めかしい建物、薔薇が咲き誇る英国庭園、コルセットつきのドレス、イギリス英語の発音・アクセント、不思議の国の植物、キノコ、ウサギ、カエル、チェシャ猫、双子のFAT BOYS、帽子屋、赤の女王のお城の豪華絢爛さ…。書きだすとキリがないけど、一つ一つが細部にわたって作りこまれてて、ティム・バートンの想像力の豊かさを感じずにはいられなかった。

それから、俳優陣の豪華なこと! ティム・バートンの映画の常連であるジョニー・デップは言うまでもなく、同じく常連のヘレナ・ボナム=カーターが、不細工な赤の女王を熱演!(この人は、こういう不気味な役がホントうまいなあ。美人なのになあ)アン・ハサウェイの白の女王はもうきれいでかわいくて神々しくて…。肝心のアリスも、ミア・ワシコウスカという女優さんだったんだけど、アリスのイメージにぴったりで、かわいくてちょっと生意気な女の子をホントにうまく演じてはりました。

SATC2は「新しいのに古くさい映画」だったけど、ALICE IN WONDERLANDは、「古めかしいけど新しい映画」って感じです。アリスが、自分の意志と考えを持った、ひとりの女性としてきちんと描かれていて、SATCのキャリーよりよっぽど感情移入できました。

あとは、セリフの音の楽しさ。「不思議の国のアリス」でも、言葉遊びが随所にちりばめてあったけど、この映画のセリフも、そこかしこに韻を踏んだセリフがちりばめてあって、「ああ、もう一度聴きたい!」って思う箇所が何か所もありました。

やっぱりfantasyはこうでないとね!

この映画はDVDかブルーレイを絶対買おう!

主題歌は、アヴリルが歌ってたけど、これもgood! サントラ買わないと!

映画日記:お気楽コメディー SEX AND THE CITY 2

SEX AND THE CITY 2を観てきました。
このシリーズはドラマの大ファンで、DVD全部持ってるんだけど、映画はなんかも一つやった。

思いつくままに列挙すると、現代の女性の代表みたいな感じで描かれてるけど、登場人物全員超セレブ(作家に、弁護士に、PR会社の社長に、ギャラリーのオーナー。それぞれ、家政婦とか、養育係がいる!)やから、まったく共感できない。キャリーとビッグのカップルがささいなことで喧嘩するんやけど、またその喧嘩の理由が、「仕事以外では家でゆっくりしたい」というビッグと、「結婚しても恋人気分でいたい、二人でお出かけしたい」っていうキャリー。最先端を描いているつもりだと思うけど、こんなん一昔前の日本のトレンディドラマでもネタにならんやろ。

それから、舞台に中東が出てくるねんけど、こんな微妙な世界状況やのに、まったくそれに対する配慮はなく、ただひたすら「アメリカ文化万歳!」ってな感じで、4人がアブダビで暴れまくる。アメリカ人がこの映画みて、もし恥ずかしくないとしたら、アメリカ人とは友達にはなれへんわ…。

どっかで聴いたことあるエピソードをつなぎ合わせて、大金かけて豪華に作って、「はいどうぞ」って見せられてもなあ。まあ、笑えるところは多かったんで、それなりに楽しめたけど、まったく何の余韻も残らん映画でした。

現代のアメリカでworking poorが増大していたり、リーマンショックで経済ががたがたやのに、こんな映画作って、ハリウッドって何考えてんのかなあ。これ向こうでヒットしたんかなあ?

ドラマシリーズでは、ほんとに等身大の女性の恋愛事情を、かなり突っ込んだところまで描いてて、はまってしまったけど、映画はもう駄目やね。とりあえず、主人公たちが「おとぎの国」の住人やから、全員(笑)。こんな作りもんの世界見せられても…って引いちゃいました。

あ、収穫がひとつ。なんと、あの「キャバレー」のライザミネリがカメオ出演してて、ダンスと歌を披露していたこと!これは「キャバレー」ファン、ライザミネリファンとしてはとっても嬉しかったです!

まあ、あとはファッションかなあ。でも、砂漠でもフェラガモとか、ディオールとか、エルメスとかで決めてて。成金!て感じ。「郷に入っては郷に従え」っていうことわざ、英語にもあるんですけどね。

何も考えず、お気楽に時間をつぶしたい人はどうぞ。