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2010年6月15日火曜日

映画日記:PRECIOUS is a really precious movie!

主人公のプレシャスを取り巻く状況は劣悪だ。彼女は黒人で、肥っており、底辺層のハーレムで暮らしている。学校ではバカにされ、勉強したい気持ちはあるが、読み書きもままならない。まだ中学生であるにも関わらず、父親からは性的虐待を受け、母親からは精神的・肉体的虐待を受けている。彼女はこれまでに父親の子供を1人出産しており、またもや父親の子を妊娠中である。

私にとって最も印象深かった台詞は、プレシャスの “Here make me feel here.” である。これは、「ここにいることが私をここにいてもいいと思わせてくれる」という意味だと思うが、「ここ」というのは、彼女が妊娠を理由に通っていた中学を退学になり、その代わりに行くことになった代替学校(alternative school)のEOTO “ EACH ONE TEACH ONE” のホームルームクラスでの一言である。彼女はそこで初めて、学ぶこと、友人とともにいることの喜びを味わう。

彼女がこの台詞を言ったとき、プレシャスはきっとEOTOのクラスが彼女を安心させ、 “I am OK”という感覚を与えてくれたのだ、と言いたかったのではないか。
人生でもっとも大切なことの一つは、”I am OK.”という感情を持つことだと思う。しかし、人生は時に厳しく、そう思えないことも多い。
プレシャスの場合もそうである。彼女は、母親からの「お前は役立たずだ!」「おまえなんか生むんじゃなかった」というようなひどい言葉を何度も浴びせられ、肉体的にも、母親からも父親からも痛めつけられる。
しかしEOTOで学ぶことによって、彼女は自分のネガティブな自己イメージを変え、自分の子供たちと自分自身を過酷な状況から救い出す強さを持つようになる。

上で書いたこととつながるが、この映画で強調されているのは、教育の重要性である。EOTOの教師、ブルーレインは、大変素晴らしい女性である。彼女は暖かく、思慮深い人で、彼女のEOTOの生徒たちに毎日日記を書かせ、それに毎日返事を書く。EOTOで、プレシャスはアルファベットを覚え、単語を覚え、文を読めるようになり、自分の感情を表現できるようになる。彼女はまた、自分の意見を主張できるようになり、自分の状況を変えるために、自分の考えや感情を表現することがいかに大切であるかを認識していく。彼女は、知識とは自己を守るための武器であるということを知るのだ。

私はこの映画に大変感銘を受けた。変わりたいと願い、その努力を怠らなければ、自分を変えられるのだと信じることができた。私たちはいつでも自分の人生を変えられる可能性を持っている。

変わりたいと思った時、そのときこそあなたが本当に変わるチャンスなのだ。

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